1月27日、左京区にすてきなお菓子屋さん「茶山 sweets Halle(ちゃやまスイーツはれ)」がオープンしました。
建都と長いお付合いのある社会福祉法人様の就労支援施設が運営するお店で、今回の工事も設計監理でかかわらせていただきました。府内産の木材をふんだんに使った店内は、素材にこだわり一つ一つていねいに手作りするお菓子と調和して、あたたかみのある雰囲気をかもしだしています。開店当初から、ご近所の方に次々とご来店いただき、上々の船出となりました。念願の直売店に、みんなの夢がふくらみます。
府内産の素材を使った親しみのあるおいしさ
「叡電」(えいでん)と呼ばれる叡山電鉄の茶山駅のすぐ近く、鮮やかな青い屋根の建物が「茶山 sweets Halle」です。
運営する社会福祉法人修光学園は、20年以上前から洋菓子作りに取組んできた実績があります。これまでは委託販売中心でしたが、昨年、別の法人から事業と建物を受け継ぎ、大幅な改修をして、1階に念願の直売店オープンの運びとなりました。
店頭にはクッキーやパウンドケーキなどの焼菓子を中心に、約30種類がラインナップされています。今回新設した専用のオーブンで焼き上げる本格的なバウムクーヘンは、早くも人気商品となっています。
また「密玉」(みつたま)と名付けられたマドレーヌは、丹波の赤たまご、美山のとちの蜂蜜、国産きび糖、厳選された発酵バターにアーモンドパウダー、そして味のまとめ役として丹後夕日が浦の塩を素材としています。2016年には「スウィーツ甲子園京都予選会・ほっとはあと京の彩グランプリに選ばれた折り紙付きのマドレーヌです。また、丹波の赤たまごで作った濃厚なプリン、口どけのよいふんわりした米粉ロールケーキと、生菓子にも力を入れています。いずれも素材の良さを素直に生かした、まじりけのないおいしさです。
商品開発や8名の利用者さんの指導、製造管理や材料調達まで柱となっているのが、8年間洋菓子店でパティシエとしての経験を積んだ職員の深田さんです。
ロールケーキに使っている米粉は、深田さんがそのくちどけの良さに惚れ込んだ、府内の他の社会福祉法人で加工されているものを入れています。こだわりの原材料とみんなのチームワークで「ほっとする、いつものおいしさ」を届けています。
茶山をお菓子で元気にしたい!
オープン前にはご近所へごあいさつまわりをし、告知のチラシも配布しました。うれしいことに、徒歩や自転車で10分くらいという、ご近所の方にたくさん来ていただいています。
このことは「子どもでも気軽に買いに行ける、地域に開かれたお店」のコンセプトを掲げるHalleにとって、とてもうれしいことです。京都府内産、国内産の原材料を厳選することは価格とのせめぎ合いもあります。様々な工夫と努力で「子どももお小遣いで買える値段」をキープしています。「はれの日に彩りを添えられるように」「食べて晴れ晴れした気持ちになるように」いろいろな想いを込めたお店です。お菓子をきっかけにして地域とつながり、たくさんの人が集まって、楽しいことやおもしろいことに係わり、その輪の中に障がいを持った人たちも、当然のように自然といることができるようにという、願いが込められた大切な場所なのです。
店舗づくりにかかわった建都の思い
「お店は無垢の木材を生かした内装にしたい」とのご希望で、京都府の「公募型木のまちづくり推進事業」を申請され、補助対象事業に認定されました。
お菓子のお店の清潔感、やさしさやおいしさ、自然を感じることができ、働きやすい環境をと、何回も話し合いを積み重ねてきました。工務店、株式会社小寺工業さんの誠実なお仕事で、ご希望にかなう、京都府内産の木をふんだんに使ったすてきなお店が完成しました。
ガラス張りの開放的な厨房は働く姿が見え、また利用者さんも、自分たちが作ったお菓子を手にするお客様が見えることで、モチベーションも上がるそうです。身だしなみもしっかりチェックしているという作業中のみなさんからは、生き生きした、楽しい気分が伝わってきました。
お客様のご希望を具体化するには、信頼関係が本当に大切だと、今また、改めて感じています。18年前に障がいのあるみなさんのグループホームの内装をさせていただいた時からの長いお付き合いに感謝しております。
茶山 sweets Halleが、働く喜びにあふれ、お菓子を通じて地域のみなさんとつながり、すてきな笑顔がたくさん生まれるお店になるよう願ってやみません。
茶山 sweets Halle
京都市左京区田中北春菜町14-1
営業時間 [火~金]10:30~18:00 [土・祝]10:30~17:00
定休日 日曜日、月曜日、第1・3・5土曜日