一軒の家のように リノベーション

今回は全国で唯一の「恵方社」がある神泉苑のほど近くで、建都が手がけたリノベーション物件をご紹介します。

神泉苑にある、歳徳神を祀る恵方社

「京の底冷え」の本領発揮といった様相の今年の冬。もうすぐ節分、暦は立春となりますが、まだまだ春は名のみのようです。
そして必ず話題になるのが「今年の恵方」ですね。恵方巻きの宣伝になっているかのようですが、これは陰陽道によって決定される、歴とした祀りごとです。
陰陽道の福の神を「歳徳神」(としとくじん)と言い、恵方はその年に歳徳神のいる方向、つまり幸運の方向ということになります。全国で唯一、歳徳神をお祀りする恵方社のあるのが神泉苑です。
今回ご紹介するマンションから歩いて3~4分というご近所です。毎年大晦日の夜、ご住職が祠を持ち上げ、新年の恵方へ「恵方廻し」されます。今年の恵方は「南南東」です。
神泉苑は平安時代の遺構でもあり神仏習合の寺院で、弘法大師の雨乞い説話や、祇園祭発祥の地としても長い歴史にその名をとどめています。今年の節分はそんなことに思いをはせてみるのもいいかもしれません。


最近、関心が高くなり、建都も多く手掛けているのがマンションのリノベーションです。
今回は、市中心部に近く最寄駅が目の前という好立地にありながら、静かで落ち着いた界隈の御池通りに面したマンションのリノベーション例をご紹介します。
既存の建物を快適な住空間に再生して価値を高め、新築よりも費用が抑えられるリノベーションは、解体せずに工事を行うため、廃材が減ることなどから、環境保護につながる点も注目されています。現在お住まいの愛着ある家に住み続けるために、また、今あるものを生かして、さらに嗜好性の高い家を求める声にも応えることができます。
建都は、注文住宅、分譲住宅、リフォームで培ってきたノウハウをもとに、京都というまちの環境に沿ったリノベーションを行っています。

マンションでも可能な個性のあるリノベーション


マンションは築32年、収納が少ない2LDKでしたが、JR、市営地下鉄の二条駅が目の前の最高の立地です。また、3部屋とも南向きで、南と西の眺望がすばらしいことも魅力です。この良さを最大限生かし、収納を増やすこと、使いやすい間取りにすることをポイントにして「便利、快適」に加え「その家らしさ」個性を感じられる家をリノベーションに臨みました。

画一的に感じられるものが多い玄関は、思い切って広くしましました。玄関から廊下はL型になっているので、プライバシー空間は見えません。玄関の壁には、伝統工法の土壁をルーツとする建材、エコカラットを使っています。ちょうど良い湿度を保ち、換気だけでは消えない臭いを吸着し、空気中の有害物質も低減するという優れものです。自然の質感を感じるデザイン性も高いものになっています。木の小さなカウンターを取り付け、より洗練された雰囲気となり、玄関先でのやり取りも十分可能です。

大きなポイントである収納とLDKは、建都らしい工夫を各所に施しました。
まず玄関横の土間付き収納は、シューズクロークとしてはもちろん、自転車やアウトドア用品など大きなもの、また雨にぬれたものを一時避難的に置くのにも、とても便利です。
6帖の洋室、和室、玄関からL字にとった廊下、洗面所、キッチンと、その場所にあった収納を考えました。工夫次第で画期的な使い方ができ、いつもすっきり心地よく暮らせます。

家族の顔が見える楽しいキッチンに生まれ変わる


広く開放的なLDKは,南側と西側に広がる眺望の良さも生かした設計になっています。時間により、季節により変化を感じられるのもここに住む幸運と言えるしょう。以前のキッチンは、奥の壁際に設備が設置されていたため、家族に背を向けるかたちでした。今回、配置を変えただけで、家族の顔を見て会話を交わせる、楽しいキッチンに生まれ変わりました。配置など小さな変更でも、ご家族と過ごす時間を多くし、笑顔がたくさん生まれることにつながると考えています。これからも一つ一つのプランを丁寧にあたため、住む方の幸せにつながるリノベーションを進めてまいります。