学生たちの堀川茶室 今年もまもなく完成

堀川丸太町の下流に建つ、稲藁で屋根を葺いた建物が目を引きます。歩道を行き交う人や犬の散歩の人々が興味深そうに見ていきます。これは京都建築専門学校の学園祭「建工祭」限定の「堀川茶室」です。学生たちが職人さんの指導を受けながら、伝統構法で建てています。木組みから、竹を細く割って縄で編む竹小舞(たけこまい)を壁の下地にするなど、木や竹、土など自然に還る建築資材が使われています。
京都建築専門学校のみなさんには、この京のさんぽ道でも「暮らしの営みや 人とつながる建築の喜び」「京都西山 竹の春 竹林の農小屋完成」「まだ途中 たけのこ畑でかなえる夢」と竹林整備やメンマ作りの活動を通して、度々取材させていただきました。Z世代と言われる年代の学生さんたちが、一心に鑿や鉋を使って作業する様子や、熟練の職人さんに対する敬意など、こちらが教えられることが多々ありました。

京都建築専門学校の建工祭の堀川茶室
昨年の堀川茶室でのお茶会

堀川茶室は、秋深まる頃の恒例行事として定着してきた感があります。だれでも気軽にお茶室に座って薄茶をいただくことができるこの催しを楽しみにしている人も多いことと思います。案内のプレートに「今年は茶室がグレードアップ!どうぞお楽しみに」とあります。最後の追い込みに大忙しの日にお邪魔しました。2回連続でお届けします。

今年はフルモデルチェンジの二室構成

京都建築専門学校の建工祭の堀川茶室
昨年の堀川茶室の様子

堀川茶室はここ4年間、三畳ひと間のお茶室でしたが毎年、その年ごとの趣向が感じられるすばらしい出来上がりでした。今年はこれまでとは大きく異なり、二室のお茶室となっていました。すごい構想だと感じました。一対とも言えるお茶室は、飛び石と水の流れに調和しています。どうやってお茶室へ入るのか、行き来するのか。謎解きのようです。気品、あたたかみ、簡潔な美しさ、風格など、日本の建物・伝統構法のすばらしさを感じました。
京都建築専門学校の建工祭の堀川茶室京都建築専門学校の建工祭の堀川茶室
建築の専門的なことは知らなくても、木や竹、稲藁、土が持つ心が休まる空気が、じんわりと伝わるのだと思います。しぼのある北山丸太が品格を漂わせています。京都が誇る北山杉ですが、林業の厳しい現状が続いていると思いますが、その光沢のある木肌を間近に見て知ってもらうにも、とても良い機会になると思います。
堀川茶室の北山杉の柱
「京北の北山杉です。伐ってその場で皮をむいて運びました」と学生さんが解説してくれました。1年生ということですが、職人さんの気質をすでにまとっているように感じました。現場で学ぶことは、その人を大きく成長させてくれるのだと感じました。
秋の日は釣瓶落とし。汗ばむくらいだった気温も下がり肌寒いなかで、まだ作業が続いていました。

 

先輩もかけつけて技術の伝授

京都建築専門学校の建工祭の堀川茶室
指導する山田さん(左)と佐野校長先生(右下)

あくる日は学校の先輩である、山城萱葺株式会社代表の山田雅史さんが、茅葺屋根の仕上げの指導にかけつけました。稲藁をさばく手つきもやはり違います。佐野校長先生と一緒に補修の箇所や方法を検討されていました。

この藁は学生さんたちが稲刈りをし、はざにかけて天日干しをした後、京北町から軽トラックで運んできたものです。稲の匂い、乾燥した藁の手触り、積み込むときの重みなど、その実感も建築のなかに生かされていくのだと感じました。
取材時はまだ足場がありましたが、足場が取り除かれると見え方も変わると思いますので、それも楽しみです。

学校では、先輩や左官や大工の熟練の職人さんを招いて仕事を直接学ぶ授業も含めて、かけがえのない体験をすることができます。
そのなかで、堀川茶室は、先輩から後輩へ、建築もお茶の接待もしっかり受け継がれています。秋晴れのもと、お茶室の和やかな雰囲気はとても良いものです。お点前、床のお花や軸、お菓子の調達などお茶部の協力もみごとです。子どもさん連れの方も年々増えているように感じます。着物女子やたまに着物男子のお運びも華を添えます。

京都建築専門学校の建工祭の堀川茶室
昨年の堀川茶室

気軽にお茶室見学と薄茶をいただく、とてもよい機会です。学生さんたちのさわやかな応対も気持ちをくつろがせてくれます。学校の教職員のみなさん、学生さん、みんなでつくり上げる堀川茶室間もなく完成です。京都建築専門学校「堀川茶室」11月3日、4日、5日の三日間です。ぜひお出かけください。

 

京都建築専門学校
京都市上京区下立売通堀川東入ル東橋詰町174

*建工祭「堀川茶室」見学と薄茶のお呈茶
堀川遊歩道 丸太町橋近くにて
11月3日(金)4日(土) 12:00~16:30
11月5日(日) 12:00~15:00